青空バスケ―2nd―
ベンチの方では、みんなが勝利を喜び合っていた。
昨日の暗さは何だったんだってぐらいのドンチャン騒ぎ。
でも……その中でただ一人、ベンチに向かって歩いてる俺の姿をじっと見つめている姿があった。
「……栞奈」
何気なく俺が呟くと……誰にも聞こえていないはずの小さな声が聞こえたのか、栞奈は泣きそうな……でも嬉しそうな笑顔で俺の方に向かって走り……そのまま俺に飛びついた。
少しよろけながらも、その小さな体を受け止める。
潤んだ目で嬉しそうに笑いながら栞奈は俺の顔を見た。
「……約束守ったよ、俺」
「うん……信じてた。
絶対守ってくれるって……信じてたよ」
栞奈の目から涙がこぼれ落ちる。
だけど、顔はずっと笑顔のままだった。
……俺がずっと見たかった、とびっきりの笑顔。
「やっと……夢が叶ったね」
「あぁ」
ずっと……ずっと俺達が思い描いてきた夢。