青空バスケ―2nd―
溢れだしてくる栞奈の涙。
決勝戦を勝った時よりも泣いてるかもしれない。
「泣きすぎだって」
笑いながら栞奈の涙を拭ってやる。
きっと、明日栞奈の目は真っ赤に腫れるだろう。
嬉しくて流した涙によって。
「大和……」
「ん?」
「……大好き!」
そう言って栞奈は俺の首に腕を回し、顔を近づけてキスをした。
「……俺も好きだよ」
世界で一番。
……誰よりも。
栞奈の腰をグッと引き寄せて……今度は俺からキスをした。
唇が離れると……俺達は顔を見合わせて笑った。
どの瞬間よりも幸せな今この時。
「ちょっとちょっと!
そこ、二人だけで楽しまないでくださいよ!」
あ……そうだった。
コイツら、いたんだった。
「公衆の面前でイチャつきすぎだっつーの」
「俺も岬先輩に抱きつかれたいっす!」
いつの間にか部員全員が俺達の方を見ていた。
「ダメに決まってんだろ、バカ」
そう言いながら、俺は栞奈をそっと抱きしめた――