青空バスケ―2nd―
「それが俺の中での一つの目標っていうか夢だったっていうか……」
でも……今、その夢だった状況にあるわけだし。
「だから……俺の夢、叶えてもらっていい?」
ずっとここで伝えたかったこと。
たった一人……栞奈に聞いてもらいたかったこと。
……俺は立ち上がって栞奈の方を見た。
栞奈がじっと俺の目を見つめる……。
「……好きだよ。
本当、自分ではどうしようもないぐらいに。
今までも……これからも、ずっと」
一生のうちで、こんなに好きになれる人とはもう出会わないだろう。
それぐらい好きなんだ。
「この先、大学に行って就職して……何があるか分かんないけどさ。
でも、俺……栞奈が応援してくれたら何があっても大丈夫な気がする」
スッ……と栞奈の前に手を差し伸べた。
「だから……これからもそばにいて。
……俺のそばに」
栞奈がいなきゃ成し遂げられなかった夢。
そばで応援してくれる人がいたから……叶えられた夢。
……栞奈は優しく微笑むと、俺の手の上に小さな手を重ねた。
「……うん。
……そばにいるよ。ずっと」
……俺は栞奈の手を引いて立ち上がらせると、ギュッと華奢な体を抱きしめた。
「……好き」
栞奈の小さな声が聞こえた。
……栞奈は顔を上げて俺の顔を見ると、いつものようににっこり微笑んだ。
俺はそんな栞奈の唇に……そっとキスを落とした――