青空バスケ―2nd―

……約束したからな。

大会が終わったら……快晴の日に青空の下でバスケをしようって。


「見てろよ、栞奈。
大和が負けるとこ」

「はぁ?
もう負けねぇっつーの」

「俺だって負けないし。
今度こそ」


栞奈はこんな俺達を見て、笑った。

引退しても、ただのバスケ馬鹿な俺達を見て。


「青桜の元エースと東第一の元エースの勝負、見せてやるよ。
特等席で」


俺がそう言うと……栞奈は笑顔で大きく頷いた。


「この特等席……絶対誰にも譲らないからね!」


栞奈が笑顔で俺達に言う。

……心配しなくても、他の誰にもそこに座らせねぇよ。

これは……俺と暁弥をずっと見守ってきてくれた、栞奈だけの特別な席。



……俺達はコートに立った。

久しぶりのバスケ。


「今度こそ絶対お前に勝つ!」

「もう二度と暁弥に負けねぇよ」


そんなことを言いながらも、二人とも顔は笑っていた。


「行くぞ!」

「いつでも来い!」


中学生、高校生。

成長していく中で……いろんなことがあった。


楽しいことも、嬉しいことも、辛いことも、悲しいことも。


これからも……きっといろんなころがあると思う。


辛くて苦しくて押し潰されそうな時が来るかもしれない。


……でも、俺は一人じゃないから。


ずっと見守ってくれる大切な人

俺と一緒に成長してきたライバル

可愛がってくれる先輩達

こんな俺のそばにいてくれる大切な友達



……たくさんの人がいるから。


大丈夫。

そう信じられる人達がいてくれるから。


だから……何も見えない未来へまっすぐ歩いていける。


その先には……新たな夢を見つけた俺がいて。


またその夢を叶えようと、俺は必死で頑張るんだろう。


……そして、その夢が叶ったら……またここへ来よう。


ここへ来て、俺のそばで支えてくれた人達と一緒にバスケをやろう。


……この、青空の下で――


―FIN―
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