青空バスケ―2nd―

しかも、本人はナンパだって気づいてねぇし……。

鈍いにも程がある。


はぁ……と小さくため息をついて、俺はもう一度トーナメント表を見た。


「三里……か」


あんなチャラ男でも、強豪校の一年生でスタメンということは相当の実力を持っているんだろう。

……信じたくないけど。


「ね、知ってる?
海里君にとってのバスケの師匠ってハル君なんだって」

「ハル兄が?」

「ハル君にバスケを教えてもらって、そのおかげでバスケが好きになったんだって」


あたし達と同じだね、と栞奈が笑いかけた。


ハル兄が……ね。


「大和のことも話してたよ。
いつか戦ってみたい……って」


……栞奈の言葉を聞いて、俺は小さく口元を緩めた。


「……じゃあ、絶対決勝まで行ってやらないとな」

「あ、火がついた」

「期待を裏切るわけにはいかねぇからな」


バスケ好きに悪いヤツはいない。

しかもハル兄に教わったとなれば尚更。


まぁ……あのナンパは思い出すだけでムカつくけど。




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