青空バスケ―2nd―

状況がうまく飲み込めずにあたしが固まっていると、目の前の男の子は笑みを浮かべながらあたしに近寄ってきた。


「マネージャーさんですよね?
青桜高校の」

「……そう……だけど……」


誰……?


あたしの心の声が聞こえたのか、男の子はニコリと笑いながら口を開いた。


「俺、伊沢海里っていいます」

「伊沢って……じゃあ、七海さんの弟?」

「そうっす」


この人が七海さんの……。

まさか迷子の途中で出会うなんて……。


「でも、何であたしのこと……」

「ハル兄ちゃんから聞いてたんすよ。
俺のイトコとその幼なじみは青桜のバスケ部だから話してみればって」

「あぁ、ハル君が……」


納得。


「名前教えてもらってもいいっすか?」

「岬栞奈です」

「へぇ、栞奈さんか。
んー……俺より年上なのに年下っぽく見えるのは何でだろう……」

「なっ……!!」

「あ、今のは聞かなかったことにしてください。
他愛もない独り言っす」

「……丸聞こえだったけどね。
しかも、年下って……いくつ?」

「中三っす。
あ……でも、卒業したからもうすぐ高校生かな」


……二個下。

……確かにあたしよりは大人っぽいかもしれないけど……。

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