青空バスケ―2nd―

「俺、ハル兄ちゃんから結構いろいろ聞いてるんすよ。
ハル兄ちゃんのイトコ、ハル兄ちゃんに負けないぐらいのバスケ馬鹿だって」


大和のことね。

うん、確かにバスケ馬鹿だね。


「去年、秀華に勝ったんすよね?
しかもその時エースとして活躍してたのはハル兄ちゃんのイトコだって聞いて……」

「知ってるの?
去年の予選のこと」

「もちろんっす。
俺、インハイに出るためにフランスから帰ってきたんすから」


フランス……。

そういえば、七海さんってお父さんの仕事の都合でフランスに住んでたって言ってたっけ。


「高瀬大和……ですよね?
先輩から聞きましたよ」

「先輩……?」

「俺、三里の中等部出身なんですけどね。
高校の人ともちょっと交流があって」

「三里ってことは……まさか……」

「杉崎先輩です。
栞奈さん達の中学の時の先輩なんでしょ?
ハイテンションでいろいろ話してくれましたよ」


杉崎先輩はね……いつでもハイテンションだからね……。


「あの杉崎先輩が、大和はすごい!!って何回も言ってました。
だから俺……戦ってみたいっす。
ハル兄ちゃんのイトコと」

「……そっか」


海里君の目を見て分かった。


この子は本当にバスケが好きなんだ。

そして……本気で大和と戦いたいと思ってる。


この子もきっと……バスケ馬鹿。

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