青空バスケ―2nd―
「これを見ろ!」
そう言って奴が取り出したのは……
「……バスケットボール?」
勝負って……バスケで?
「フリースロー対決だ!!」
ボールを持った手を高く掲げながらそう言うアイツ。
「そんなの大和が有利になるに決まってるのに……」
「……もしかしたら相当な自信があるのかもな。
ウチのエースを凌駕する程の……」
蓮の言う通りだとしたら……コイツはバスケ経験者?
しかも相当な実力を持つ……。
「三本勝負だからな!
ズルはなしだからな!」
……そうはまったく見えないけど。
ただのアホにしか見えないけど……。
いや、でもバカと天才は紙一重って言うしな……。
もしかしたらコイツも……。
「三本勝負だからな!」
「……あぁ」
「お前が勝ったら岬栞奈はくれてやる!
だけど、もし俺が勝ったら……」
くれてやるって……栞奈は別にお前のものでも何でもねぇけど。
「もし俺が勝ったら……俺をバスケ部に入れろ!!」
「………は?」
バスケ部に……?
何でまた………
「よし、先攻はお前にやる!!
さあ、俺の胸を借りるつもりで来い!!」
……何だコイツ。
本当に変な奴に目をつけられちまった……。
小さくため息をつきながら、俺はボールをゴールに向けて高く放った――