青空バスケ―2nd―
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「……な、なぜだ……。
なぜ俺が負けるんだぁっ!!」
床に両手をつき、四つん這いの格好になりながら叫ぶコイツ。
結果は3-0で俺の勝ち。
「……まぁ、当然だろうな。
相手が大和だもんな」
「何でフリースロー対決なんかにしたんだろ……。
他のスポーツだったら勝てたかもしれないのに……」
本当……面倒くさいヤツ。
俺はため息をつきながら、この変な奴に近づいて目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「……お前さ、バスケ部に入りたかっただけだろ」
俺がそう言うと、さっきまで叫んでたコイツはピタリと黙った。
「そのためにわざわざ栞奈に近づいて、俺と接触しようとしたんだろ」
「……………………」
……図星か。
「そんなに入りたかったなら、何で一年の時から入らなかったんだよ」
「……それは……」
「……それは?」
みんながこの変人に注目した。
変人はゆっくりと口を開き……そして……
「忘れてたからだ!」
「………は?」
「高校に入学して薔薇色のハイスクールライフが送れると思っていた俺は、女の子と仲良くしようと毎日合コンに繰り出していき………気づいたら高三になっていたのだ!!」
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「……本物のアホだ、コイツ」
「……大和、部活やるぞ。部活」
「あたしドリンク作ってこようっと」
「ちょっ……ちょっと待て!!
待ってくれ!!」
本当に何なんだよ……コイツ。