青空バスケ―2nd―
試合が終わった後……大和は誰に声をかけることもなく、うつむいたまま近くに置いてあったパイプ椅子に座り込んだ。
部員全員が大和の異変に気がついていた。
「……これはまたずいぶん重たい症状だな」
「え……?」
「スランプだ。
まさかこんな時期にくるとはな……」
スランプ……。
監督の言葉を頭の中で繰り返す……。
「……ま、最近シュート率低くなってたしな」
蓮ちゃんが隣で汗をタオルで拭きながら言う。
……スランプ……大和が……。
「岬、ちなみに聞くが……今までこうなったことは?」
「……ありません。
初めてです……」
今までスランプなんて一度もなったことがなかった。
だから……あんな大和を見るの……初めて。
あたしは汗を流したままいまだに動かない大和を見た。
その顔は……すごく辛そうで……苦しそうだった。