青空バスケ―2nd―
「高瀬。
お前、次の試合は外れろ」
……監督にそう言われたのは、次の試合の前日のことだった。
大和のスランプは良くなるばかりか酷くなる一方だった。
監督の判断は正しい。
今の大和を試合に出して勝てるとは到底思えない。
それは誰もが分かってることで……もちろん大和もちゃんと理解してるはず。
でも……理解はしていても、それは大和にとって本当に辛いことだったのかもしれない。
「………はい」
大和は反論はしなかった。
素直に受け入れた。
だけど………
「おい、大和。
どこ行くんだよ」
体育館を出て行こうとした大和を蓮ちゃんが引き止めた。
「……ちょっと頭冷やしてくる」
大和はこっちを振り返ることもなくそう言って……体育館を出て行った。
誰もがその背中を心配そうに見つめていた……。