青空バスケ―2nd―
……その日の帰り道。
あたしは一人でうつむきながら歩いていた。
……大和は今日もバスケ。
本当にあれからまともに話してない。
「………はぁ」
どうしよう……。
あたしがため息をついた……その時だった。
「ため息つくと幸せ逃げるぞ」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
この声……久しぶりだ……。
あたしは急いで振り返った。
「……ハル君……」
「久しぶり。
結婚式以来だな」
ハル君はもう26になるっていうのに、相変わらず笑顔は爽やかだった。
「……本当、久しぶりだね」
「……どうした?
元気ないな」
「……そんなことないよ」
……あたしは大丈夫。
あたしは……。
ハル君はじっとあたしを見ると、何かを察したようにフッと小さく笑った。
「栞奈」
「ん……?」
「家おいで」
「………え?」
家……?
ハル君の?
え、今から?
「いや、でも……」
「いいから。おいで」
「ちょっ……ハル君!?」
放課後の帰り道。
あたしはハル君に拉致られました。