青空バスケ―2nd―
「あそこにいるのは……別にあたしじゃなくてもいいって……気付いた」
悔しいけど……それが事実。
……ハル君はじっとあたしの目を見ると……静かに口を開いた。
「じゃあ……辞めれば?」
「え……?」
「栞奈がそう思うんだったら一回辞めてみればいい。
もし本当にマネージャーが誰でもいいなら、部員はすぐに他のマネージャーを探すだろうな」
他の……マネージャー……。
「……でも、俺はそうは思わない」
「ハル君………?」
「きっと栞奈が辞めても、すぐに連れ戻されるよ。
だって、部員が必要としてるのは栞奈だから。
マネージャーとして……そばで応援してほしいのは栞奈しかいないから」
あたししか……?
ハル君はあたしを見て優しく微笑んだ。
「大和だって……そう思ってるよ」
「……………」
「大和が何のためにインハイに行きたがってるのか……。
まぁ、自分の夢だからっていうのもあるんだろうけど……一番は栞奈のためなんじゃないか?」
「あたしのため……?」
ハル君は笑顔で大きく頷いた。