青空バスケ―2nd―
「小学生の時に二人で夢見たんだろ?
俺の試合を見て。
あのインハイの舞台に行きたいって……。
俺は覚えてるよ。
試合の後に二人が嬉しそうに俺にそう言ってくれて……俺も嬉しかったんだから」
小学生の時……一緒に行こうって約束した。
去年も……連れていくって言ってくれた。
そして今年も………約束した。
「だったら、栞奈がいなきゃダメじゃん。
栞奈が大和のそばで……一番そばで応援してあげなかったら、大和の夢は叶ったことにはならない」
「え………」
「大和は自分だけがインハイに行きたいわけじゃない。
栞奈と二人で行かなきゃ……大和にとっては意味がないんだよ」
……小学生の頃、小さな小指を絡めた。
約束だよって言った。
一番そばで応援してるからって……言った。
「誰でもいいなんて言うな。
部員にとって……大和にとって、栞奈は誰にも代わることのできない存在なんだから」
「っ………ハル君っ……」
泣くつもりなんてなかったのに……なぜか涙が溢れてきた。
……本当は嫌だったんだ。
誰かがあたしの代わりにみんなのところにいるなんて……。
そんなこと……考えたくなかった。