青空バスケ―2nd―
「そうだよ」
「……はい?」
帰り道、何気なく蓮と話したことを栞奈に聞いてみた。
「マジかよ……」
「あたしが気づいてないとでも思った?」
「……思った」
「結構よく見てるんだよ、大和のこと」
そう言ってにっこり笑う栞奈。
「美味しいものはずっと食べてたら飽きるけど、マズいものは慣れてくるんだよ。
鳴瀬先輩が言ってた」
先輩め……。
「部員の些細な変化は見逃しません。
それがマネージャーです」
「……本当、よくできたマネージャーだよな」
「……でも、大和の変化がすぐに分かるのはマネージャーだからじゃないかもね」
俺の方を見て小さく笑いながら言う栞奈。
「……じゃあ何?」
ちょっと意地悪したくて聞いてみた。
すると、栞奈は少し顔を赤くして俺から目をそらした。
「……何だと思う?」
「何?」
「んー……やっぱ秘密!」
「ここまできたら言えよ。
言ったら楽になるから」
「楽って……何か、あたし悪いことしたみたいじゃん」
「してる。
現在進行形でしてる」
「何を?」
「俺のこと焦らしてる」
……俺がそう言うと、栞奈は顔を真っ赤にして俺の方を見た。