青空バスケ―2nd―
うつ向いて……小さくため息をついた。
……もう帰ろうかな。
いつまでもここにいたって何にも変わらないし……。
あたしが立ち上がろうとした……その時だった。
「栞奈」
ふとアキ君があたしの名前を呼んだ。
アキ君の方を見ると、アキ君はこっちを見ながら優しく微笑んでいた。
「そばにいてあげなよ」
「え……?」
「何もしなくていい。
……ただ黙って大和のそばにいてあげればそれで十分だと思うよ」
黙って……大和のそばに……?
「アイツ、一人じゃ何もできないからさ。
だから……栞奈がそばにいてあげて」
「あたしが……?」
「栞奈じゃなきゃダメなんだよ。
大和にとっては。
他の誰にもその役は務められない」
アキ君はにっこり笑った。
「何があったかは知らないけど……栞奈なら大丈夫。
大和を大切に思う気持ちがあれば」
「アキ君………」
「頑張れ、栞奈」
「……ありがとう、アキ君」