青空バスケ―2nd―
「……じゃあ、楽になろうかな」
「どうぞ」
栞奈は小さく口元を緩めると、背伸びをして俺の耳元に唇を寄せた。
……そして、小さな声で囁いた。
「……好きだから」
……ドストレート。
お前の方が心臓に悪いっつーの……。
「それ以外に理由なんて……ないから」
……本当にサラッと可愛いこと言ってくれるよな。
「……栞奈」
「ん?………ちょっ……!!」
振り向いた栞奈にそっと触れるだけのキスをした。
「こ、ここ外だよ!」
「……栞奈が悪い」
「何で!」
「帰るか」
「え!?」
パニくってる栞奈の手を引いて歩き出そうとした……その時。
「ちょっ……引っ張……転ぶ……!」
「え?………うおっ!」
急に引っ張られたからか、栞奈がバランスを崩し………
……後ろから抱きついてきた。
「……ここ、外ですけど」
「……知ってます」
「よく転ぶよな、お前」
「……大和が引っ張るからだよ。
もう帰ろ?
暗くなってきちゃった」
「そうだな。帰るか」
手を差し出せば、栞奈は小さな手でギュッと握る。
俺が半年前に手に入れた……幸せ。