青空バスケ―2nd―

「ほら、また肩に力入ってる」

「だって、肩が力入れたがるんだもん」

「どんな肩だよ。
いいから抜けって」


それからなぜか栞奈へのレクチャーが始まった。

栞奈のデタラメすぎるフォームを見て、俺のバスケ魂に火がついたのかもしれない。


「あぁ……またダメだ……」


何度やってもボールがリングをくぐり抜けることはない。


……栞奈は若干諦め気味だった。


「んー……何でダメなんだろ……」

「何回かやってればできるようになるって」

「……ね、一回お手本見せてよ」

「……え?」


栞奈は俺にボールを差し出した。

……俺はそのボールを見たまま固まる。


「……今の俺はお手本になんかならねぇよ」

「そんなの、やってみなきゃ分かんないよ」

「……無理だ」


……自分の状態は……自分がよく分かってる。
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