青空バスケ―2nd―

栞奈は俺にボールを差し出していた腕を静かに下ろした。


「……怖いの?」

「は?」

「怖いんでしょ。
ボールが入らないことが」

「んなことあるわけっ……」

「じゃあ、どうしてやってみないの?」


っ………………。


「……後で一人で練習するからいいんだよ」

「そうやって……いつも弱い自分を隠そうとする……」

「え……?」

「そうやって隠すから……みんな余計に心配しちゃうんじゃん」

「……こんなのカッコ悪いだけだろ」

「カッコ悪くてもいいじゃん!!」


体育館に栞奈の声が響いた……。

栞奈はじっと俺の目を見つめる。


「カッコ悪くても……大和は大和だよ。
あたし達のキャプテンは……大和しかいないんだよ……」


俺を見つめる栞奈の目が……だんだん潤んでくる。


「……一人で全部背負い込まないで。
カッコ悪くても……全部隠さないで……」


栞奈……。

< 71 / 201 >

この作品をシェア

pagetop