青空バスケ―2nd―
「ハル君、どっか行くの?」
あたしが聞くと、ハル君はにっこり笑った。
「栞奈もな」
「え?」
「七海、出かけるぞ」
七海さんは戸惑った様子もなく、笑顔で頷いた。
え……何、どういうこと?
「ハル兄、どこ行くんだよ」
「俺達はちょっと席外すから。
あとは男二人で仲良くやってて。
大和も海里もお互いに聞きたいことがあるみたいだから」
ハル君はそう言うと、状況が上手く掴めていないあたしの腕を引っ張りながら七海さんと一緒にリビングを出た。
「ハル君、どういうこと?」
「一時間ぐらいあの二人だけにしてやって。
海里のために」
海里君の……?
ますますよく分からない……。
だけど……うん、きっと二人にとっていいことなんだよね。
「それでどこに行くの?」
「栞奈ちゃんはどこがいい?」
「え、あたしが決めていいんですか?」
「もちろん」
「じゃあー……あ、駅前のケーキ屋さん!」
「いいね!あたしも食べたい!」
「えっ……ちょっ……あそこ、高いんだけど……」
「栞奈ちゃんは何が食べたい?」
「んー……ミルクレープ!」
「って、俺の話聞いてないし………」
ハル君は苦笑いしながら小さくため息をついた。