青空バスケ―2nd―
しばらくすると、三人が帰ってきた。
何をしていたのかは知らないけど、栞奈と七海さんの幸せそうな顔を見るに何か楽しそうなことをしていたに違いない。
「……俺の財布が……」
……ハル兄にとっては災難だったのかもしれないけど。
海里は満足そうに帰っていった。
それを見て七海さんも嬉しそうだった。
「ありがとね、大和君」
「いや、俺は何も……」
「海里が目をキラキラさせて誰かに憧れるのって……ハル君に会った時以来なんだ」
「え……?」
「あの子、見た目はあんなチャラいけど……バスケには本当に一生懸命で。
……ずっと探してたんだと思う。
大和君みたいに自分と同じくらい……ううん、それ以上にバスケに熱くなれる人を」
……だからハル兄と七海さんは俺と海里を二人きりにしようとしてたってわけか。
「海里はいい選手になると思いますよ」
「え?」
七海さんが驚いたように俺を見る。
「……だから、ずっと見守ってあげてください」
成長した自分を見せたい。
ずっと自分の面倒を見てくれた姉ちゃんに。
……そんな海里の温かい気持ちがあれば、絶対一回りも二回りもデカくなれるから。
「……うん」
七海さんは笑顔で大きく頷いた。