ぬくもりをもう一度
いつもは何かと

話しかけてくる野々原が、

お昼を境に

全く声をかけてこなかったのが

俺の中で少し引っかかっていた。


しつこいくらいに

俺に付きまとってくるはずなのに、

あまりの大人しさに

恐怖さえ感じていたほどだった。


そのワケが、

―――これだったのかもしれない。


けれど、なんで俺が

今日ここに来ることが分かったのだろうか。


微笑んだ表情を崩さず、

野々原が言葉を続ける。





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