ぬくもりをもう一度
「こうしてた方が、温かいだろ?」


そう言って、ポケットの中で

指を絡ませギュッと握り締める。


香澄の顔がほんのり赤く染まっていく。


「う、うん……」


こくんと頷くと、

香澄もまた微笑んだ。


香澄の指が俺の甲を優しく撫でる。


俺もそれに応えるように

香澄の指を撫でる。


そしてもう一度、

今度はお互いの照れを隠すように

微笑みあった。




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