ぬくもりをもう一度
電車が来るまで、あと4分。


刻一刻と、その時が迫ってくる。


―――やっぱり、香澄と離れたくない。


そう思った時だった。


「私たち、付き合ってるのかな」


小さな声で香澄がぽつりと呟いた。


そのあまりにか弱い声に、

俺は咄嗟に香澄の方へ視線を向ける。


「香澄……?」


「まだ、ちゃんとした言葉、

 言ってない気がして……」







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