ぬくもりをもう一度
愛しいぬくもり
一段と冷え込みが増す東京の冬。


時折吹くかわいた風が、

身にしみて縮こまる。


あの修羅場から時が経ち、

街はすっかり煌びやかな

イルミネーションで輝いている。


あちこちから聞こえてくる

賑やかな曲に、

寒さを忘れてしまうくらいに

心を温かくさせてくれた。


明日は、クリスマスイブ。


今まで普段通りにすごしていた

はずなのだけれど、

今回はまるで違う。


香澄と過ごせることの喜びを

感じつつも、

特別な日であるというある種の

男のプレッシャーと入り混じって、

胸の奥が常にざわついている。





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