ぬくもりをもう一度
今は、ない。


入社以来ずっと俺の隣に座っていた

野々原が、

先月いっぱいで忽然と

姿を消していた。


あれ以来、

プライベートなことに関しては

一言も交わすことのなかった

俺と野々原。


かといって、

仕事はそれまでと変わらず

お互い淡々とこなしていた。


だから俺の中では、

それが当たり前だし

ずっと変わらないと思っていた。


しかし、12月に入ると

野々原の姿はここになかった。






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