ぬくもりをもう一度
愛しい香澄と逢えるまで、

あとわずか。


はやる気持ちを抑えながら、

明日必要な資料を何度も確認する。


香澄のためにも、

明日はきっちり決めてこなければ。


全てに目を通し終えると、

パソコンをシャットダウンし

すっと席を立った。


足元に忍ばせていた紙袋を手に取ると、

帰り支度をしている同僚に

頭を軽く下げて社を後にした。


香澄との待ち合わせ場所、

九段下駅へと―――





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