ぬくもりをもう一度
九段下駅へ向かう途中、

俺は何度も腕時計を確認する。


香澄との約束の時間は5時半。


5時ちょうどに会社を出て来たから、

時間には少し余裕があるはずだ。


せっかくのデートで

遅れるワケにはいかない。


それもクリスマスデートとなれば、

尚更だ。


気持ちが浮ついているせいか、

いつもよりも歩幅が広く

そして早足になる。


待ち合わせ時間の10分前には着いて、

香澄を迎えてあげたい。


普段15分の道のりを、

今日は10分で歩ききってしまいそうだ。


もうすぐ待ち合わせ場所の九段下駅。


この時間なら、

香澄を笑顔で迎えてあげられそうだ。





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