ぬくもりをもう一度
学生の頃の俺は傲慢で、

香澄の感情などちゃんと考えもせず

自分勝手に行動していた。


その事を香澄から言われてしまうと、

弁解する余地もない。


やっぱり、香澄も当時は

そんな俺が嫌だったのだろう。


「俺が香澄を笑顔で迎える予定だった」


ちょっと拗ねたように小声で言う俺に、

香澄が頬を赤らめながらそうっと呟く。


「その気持ちだけでも、

 すっごく嬉しい」






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