ぬくもりをもう一度
エレベーターに乗って

展望台へとやってきた。


俺の予想に反して、

意外とカップルが多いことに驚く。


そりゃ、誰もがクリスマスは

素敵な時間を恋人と過ごしたいものだ。


考えることも似てしまうのは

仕方がない。


俺たちは、ゆっくりと

展望台の中を回り始める。


ガラスに張り付くように立つ

カップルを見ながら、

俺はどうにか香澄と過ごせそうな

場所を探す。


すると1ヶ所だけ、

人の壁が途切れているところを見つけた。


すかさず香澄をそこへ促して、

一緒に景色を眺め始める。


眼下には宝石を散りばめたようなライトが、

キラキラと輝きを放っている。







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