先輩とあたし。

数分後、カツカツと足音が聞こえてきた。

昨日聞いた足音と一緒だから、亮太くんだと思う。

すると亮太くんがあたしの視界のなかに入った。

亮太くんはあたしの隣に座った。

だけどすぐに立ち上がってあたしと並んで歩きだした。

昨日と同じように、話しながらどんどん歩いて行く。

昨日と同じような風景が見えてきた。

昨日よりも早く感じた、真香中までの道のり。

真香中の校門前にある大きな石に亮太くんと座った。

亮太くんと触れている左肩があつい。

「あー、寒い」

『だねー』

「俺、冷え性やからめちゃ寒い」

はぁ…と手に息をふきかける亮太くん。

『冷え性かー。可哀想に』

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