先輩とあたし。

「今日は家まで送ってく」

『いや、別にいーよ。亮太くん往復になっちゃうやん』

「えーのえーの。愛李が俺みたいなやつに襲われんか心配やし」

『え、亮太くん襲っちゃう?』

「襲ってやろーか?」

『やめとこーか』

「嘘やし」

亮太くんとそんな会話をしながら、あたしの家までの道をどんどん歩いて行った。

亮太くんってあれだよなぁ…。

見た目チャラいのに、頭良いしめっちゃ常識人だし。

隣にいる亮太くんの顔を見ながらそう思った。

「なに?」

今まで前をむいていた亮太くんが急にあたしのほうを見た。

『なんでもなーい』

「なんやそれ(笑)」

クスクスと笑いながら、また前をむく亮太くん。

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