先輩とあたし。
あたしは借りたばかりの本を見ながら待っていると、メールの着信がなった。
〈あれw6巻もってない?〉
あたしは鞄のなかを見てみるけど6巻は入っていなかった。
〈ないよー〉
そう返信してまた本に目を移した。
数分後、亮太くんが戻ってきた。
あたしは読んでいた本を鞄の中に入れた。
「6巻なかったから今度探してまた貸すわ」
『あ、わかったー』
「ん。あ、あの家、彼方ん家」
そう言って亮太くんは目の前の家を指差した。
『え、あ、えぇー!!』
あたしは目を見開いて西村先輩の家を凝視した。
「行く?」
亮太くんは冗談半分で言った。
『いかない!!絶対行かない!!』
あたしはぶんぶんと首を横にふった。