先輩とあたし。

わかっちゃったんだ…、本当の自分の気持ちが。

ずっとずっと気づかないフリをしていたけど、もう気づかなきゃいけないんだ…。

亮太くんと麻里が付き合ったって聞いて寂しい気持ちを真鍋先輩に逃げて、

麻里とキスしたって聞いて苛立ってもやもやして、

だけど結局西村先輩に逃げて、

麻里と別れたときは心底安心して……、

そして今慰めようとしてくれているけど、罪悪感と慰めないでって気持ちがあって、

あたしは……、


亮太くんのことがずっと前から好きだったんだ。


なんで…、今更気づくのかなぁ…あたし。

麻里とつきあった時点で亮太くんはもうあたしのこと好きじゃなくなったのに……。

ポロッと涙が一粒、あたしの頬を伝った。

亮太くんはあたしの涙に気づいたのか「大丈夫?」って言った。

あたしはこくんと首を縦にふった。

だけどこの涙は、西村先輩にふられて出てきたわけじゃないの。

亮太くんが…、好きだからでてきたの…。


あたしの本当の恋は、やっと動き出したんだ---------。

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