先輩とあたし。
あたしは凪瑠から襷を受け取ってつけようとしたときに……。
襷がビローンってなっていた。
簡単な説明をすると、襷が輪になっていない。
このままだと肩から襷をかけれない。
すると走り始めてすぐに、
「愛李がんばれー」
って声が聞こえた。
ふいにその声の主を探すと亮太くんだった。
きゅん……。
言葉で表すならこの言葉。
あたしはこのとき異常なほどにテンションがあがった。
もう…、やばい……。
たぶん今のあたしの顔はにやけているだろう。
あたしは走りながら襷を頑張って輪にして、肩からかけて本気モードで走り出した。