先輩とあたし。
あたしは真帆と一緒にトラックの1番近いところにいた。
もちろん応援をするために。
亮太くんは1走で、もうスタート前でスタンバイしてる。
きゅーん……、
なんだかすごい胸が苦しい感じがする。
この気持ちにわかってしまったら、亮太くんを見る目が変わってくるよなぁ…。
すごい亮太くんがかっこよく見えるのは…、好きな人の特権なんだろうなぁ。
そんなことを思っていると男子継走の部が始まった。
どんどんあたしたちがいるところに男子の大群が近づいてきた。
亮太くんは…と、あたしは今日はコンタクトだからすぐに亮太くんが見つかった。
今の亮太くんは5番。
めっちゃはやー、って呑気に感心してる場合じゃなくて!!
『亮太くん、頑張ってー!!』
精一杯大声で応援した。
だけどたぶん聞こえてないんだろうなぁ…。
周りもすごいうるさいから。