先輩とあたし。

ちらって亮太くんの顔を見ると、亮太くんもあたしのほうを見ていて顔の距離は5センチないぐらい。

絡まりあう視線。

だけど、そのままあたしはテレビに目をむけてしまった。

やば…。感じ悪かったかな…。

だけど…、恥ずかしいし、心臓がもたない。

亮太くんはあたしの左手をぎゅって握ってきた。

「ちっさ。ほっそ」

亮太くんはあたしの左手を見ながらそう言った。

小さいっていってもあたし、女子のなかでは大きいほうなんだけどな。

だけど、亮太くんの手はもっと大きかった。

『細くないよー』

みんなに細いって言われるけど、細くなんかないし。

むしろ太いぐらい。

ていうか、その前に手汗がやばいー!!

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