先輩とあたし。
さらっとあたしの髪を触る亮太くん。
こめかみあたりぐらいの。
くすぐったい。
思わず口が緩まる。
「愛李?起きろー」
そろそろ起きようかな。
このまま寝てるのも失礼だし。
今、起きたみたいに演技してみよっかな。
がんまります。あたし。
『んー…』
あたしがそういうと亮太くんはふはって笑った。
なんで?あたし実際も寝起きこんな感じなんだけどなぁ…。
あたしはゆっくり目をあけると、やっぱり亮太くんの顔が目の前にあって。
思わず視線をそらした。
「おはよ」
『おはよぉー』
できるだけ眠たそうな声で言ってみた。