先輩とあたし。
あたしが不安気な感じで亮太くんを見ると
「なおは結構信頼できるやつだからたぶん大丈夫」
って言ってくれた。
『そっか…、じゃあ、ばいばい』
「じゃあな」
あたしは自転車にまたがって亮太くんに手をふって、自転車を走らせた。
途中、チラッて振り返ると亮太くんとなおはサッカーをしていた。
あたしはまた前を向いて、自転車を力強くこぎ続けた。
冷たい風があたしの頬をかすめる。
あたしは自転車を降りた。
目の前には急な上り坂だから。
あたしは自転車をおしながら、涙が一粒…流れていた。