先輩とあたし。

階段をあがって、上にある公園の少し薄暗いベンチに座った。

『これ、チョコ…』

あたしは亮太くんにそう言いながら、チョコを渡した。

「ありがと」

亮太くんは受け取って、亮太くんの左側に置いた。

しばらく沈黙が続いていたけど、あたしの顔は真っ赤。

だってなんかずっと視線が絡み合ってるんだもん。

亮太くんシャイなくせに。

そんな見ないでよ。

『卒業を祝う会のやつね、BGM係になったんだよ』

「へぇー。BGM決めるだけ?」

『ううん。当日にスポットとかやるの』

「ふーん。あ、そういえばさ俺、志望校変えたんだよね」

『そうなの?どこ?』

「工業」

工業ってたしか、そんなに偏差値が高くないとこかな?

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