先輩とあたし。

「おう」

亮太くんは立ち上がってあたしが座っている位置の目の前に移動した。

あたしも立ち上がると、亮太くんは手を広げた。

あたしは亮太くんに抱きついた。

亮太くんの腰あたりをきゅっと抱きしめる。

亮太くんもあたしを包み込んだ。

この前亮太くんの家に行った時は横からだったけど今日は真正面だったから、同じように抱きしめられているのに全然違った。

亮太くんは強く、強くだきしめてくれた。

抱きしめられるのって気持ちいいな。

あたし、抱きしめられるの好きかも。

亮太くんはゆっくりと体を離した。

「あったまった?」

『…うん』

まだ、はなれたくない。

もっと、もっと温めて。

< 227 / 310 >

この作品をシェア

pagetop