先輩とあたし。
「帰るんやで?」
『…うん』
「また会おうな」
『うん!!』
亮太くんはあたしに背を向けたけど、すぐに首だけふりむいた。
あたしが帰るのを待ってるんだろうか。
しばらく見つめあったけど、結局あたしは亮太くんに背をむけた。
歩いてちょっとしたらまたあたしは振り向いたけど、亮太くんがこっちをみているのかわからなかった。
目悪いし、暗いし、ぼやけてばかり。
あたしはまた前を向いて歩きだした。
何回も何回もふりむいたけど、亮太くんの姿はもうなかった。
あたしは振り返らずに歩き続けたら、自販機が目に入った。
あたしは100円を入れて、“ホットレモン”の下にあるボタンを押すとがこんと“ホットレモン”のペットボトルがおちてきた。
あたしは取り出して、すぐに“ホットレモン”をのんだ。