先輩とあたし。
. 先輩と今の時間を
あたしはいつもの4人に、こう告げた。
『あたし、卒業式に亮太くんのことを諦める。
だから…、今は亮太くんを見かけたときに「あっ」とか「ちゃん」とかいうのはやめてほしい。
今の時間を…、楽しみたいから』
これだけを言うのに、どれだけの勇気を使ったんだろう。
みんなもわかってみてくれたみたいで、っていってもくせなのかはわからないけど
みかけると「ちゃ…あっ…」てきなかんじになってる。
前に比べると、まだ、マシなほうかな。
だけど、楽しみたいから。
今のこの時間を。一瞬を。
もうなにも、ネガティブになることはない。
ただ亮太くんを精一杯好きになればいいだけ。
そう思うと、なんだか肩から重い荷物をおろした気分になった。
ただ、純粋に亮太くんが好き。
あたしは、やっと前を向けた。