先輩とあたし。

『亮太くんの声がする』

あたしがそういった直後、亮太くんが友達と一緒に1階からあがってきた。

亮太くんと一瞬目があったけど、すぐに目をそらしてしまった。

あたし、目があわないと傷つくのに、目があうと照れてすぐにそらしてしまう。

だめだなぁ、あたし。

真帆「え、愛ちゃん怖い(笑)」

『しょうがないじゃん!!あたし目が悪いから立ち姿や歩き方とか声でだれかって特定するんだから』

あたしは亮太くんの声は絶対にわかる自信がある。

亮太くんの声は独特じゃないし、ごく普通の声。

だけど、なんかわかるんだ。

そのせいで亮太くんの声が聞こえるたびにドキドキする。

あ、近くにいるんだってわかってしまうから。

真帆「はいはい。あ、次の時間って総合だよね?」

『うん。そうだよ』

今の総合の授業は卒業を祝う会の係活動。

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