先輩とあたし。
3階から2階におりる階段の途中、ふと思った。
ここの階段をこの1年間、亮太くんは通ってきたんだ。って。
そして、あまり通らない道を歩いていて、亮太くんはこの景色を毎日見ていたんだなって、そう思ったら悲しくなった。
あたしはこの道を1ヵ月後には毎日通ることになる。
だけど、そのとき亮太くんは違う学校。
亮太くんとこの景色を隣に並んで、一緒に見たかったな…。
卒業式まで、あと1日。
亮太くんを卒業まで、あと1日。