先輩とあたし。

さよなら友よの2番は3年生だけが歌っていて、あたしはその歌声を目を閉じて聴いていた。

相変わらず涙は流れ続けていて、亮太くんの顔が浮かんでいた。

亮太くんが前、メールをし始めたぐらいかな?

メールであたしのこと「2年の中で1番かわいい」って言ってくれたんだよ。

覚えてる?

あたしは、小さな子供みたいにはしゃいで喜んだんだよ。

それにメアドを通してもらった男友達からは、

「亮太先輩、愛李のこと狙ってるよ」

って言われたんだ。

すごく、すごく嬉しくて。

夜も眠れないほどに喜んだんだ。

亮太くんとの思い出は、いくらでも思い出せる。

思い出にしてしまうのは悲しいけれど。

あたし記憶力悪いから、すぐに忘れちゃうのに。

亮太くんのことだけは、一生忘れられない。

< 299 / 310 >

この作品をシェア

pagetop