先輩とあたし。

校歌を歌って、着席をしてから

「卒業生退場」

そう進行役の先生が言った。

あたしは亮太くんをしっかりと見ようと、涙を拭いて、目だけで亮太くんを追った。

亮太くんは堂々としていて、やっぱりかっこいいなぁ。

なんて、考えたりしていると亮太くんはあたしよりも後ろに行ってから、また涙を流した。

今日ぐらいは人目も気にしないで泣ける日だから。

来賓の人も退場して、在校生も退場。

あたしは教室に着くまでに涙はふいたけど、真帆が教室に入ってきた途端に抱きついた。

『もう無理~』

あたしも真帆も大号泣。

「やだね~」

なんていいながらも担任が入ってきたから、泣くのをやめて席に着いた。

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