先輩とあたし。

3年が全員通り過ぎて、1、2年はもう帰ることになった。

あたしは家に帰ってから、すぐに。

〈卒業おめでとう。大好きでした。〉

そうメールを作成して、あたしは送信ボタンを震える手でおした。

亮太くんからの返事はくるはずがない。

ただ亮太くんはあたしが送ったメールを見るだけだから。

あたしは、メアドを変えようと思った。

このアドレスを変えますか?

----はい。

新しいアドレスを入力してください。

あたしは今にでも終了ボタンをおしたい気持ちをおさえて、

1字ずつ、1字ずつ、

視界が歪んで、あまり見えなくなっても、

ただ新しいアドレスを入力し続けた。

このアドレスにしますか?

----はい。

あたしは決定ボタンをポチッとおした。

< 304 / 310 >

この作品をシェア

pagetop