先輩とあたし。
それを合図にあたしはケータイを手放した。
『りょー、た…くん…。ごめっ……』
あたしはもう涙をふくこともなく、
亮太くんが修学旅行のときにもらったお土産のスヌーピーのキーホルダーをバックから外して、シャーペンは筆箱の中から抜き出し。
あとバレンタインのときのカイロ。
あたしは、まるで壊れ物を扱うかのように、
亮太くんの思い出を------。
引き出しにしまった。
もう、この引き出しは開くことはない。
亮太くん、こんなことしてごめんね。
だけど、もう、亮太くんのものがあったら、
壊れてしまいそうなの。
あたしはどうしようもなく亮太くんが好きだ。
だけど、今日で亮太くんを卒業します。
亮太くん、ありがとう。
亮太くんと出会えてよかった。