先輩とあたし。
「えーと、黒田さんの返事」
『あ、黒田さんの…』
あたしに声をかけたんじゃなくて、眞希の返事をするためかぁ…。
あ、黒田 眞希ね。
「黒田さんに、ごめんなさいって伝えておいて」
『わかりました』
「それじゃ」
『あ、はい!!』
そう言って西村先輩はまた階段を上って行ってしまった。
あたしは西村先輩の後ろ姿が見えなくなるまで見届けた。
眞希の返事の伝言を聞くだけだったのに、すごいうれしい。
眞希にはすごい申し訳ないけど…。